2014年9月3日水曜日

【Jリーグ】鹿島アントラーズ☓FC東京 鹿島の先制点が生まれた理由

鹿島の先制点は土居聖真が西大伍からのロングボールをトラップしてそのままシュートというシンプルなものだった。

FC東京と鹿島アントラーズのシステム

FC東京は4-3-1-2でゲームに入った。対する鹿島アントラーズは4-2-3-1。
システム上、FC東京は鹿島アントラーズのサイドバックに誰がプレッシャーに行くのかが曖昧になりやすい。

西大伍のパス能力

鹿島アントラーズの西大伍は比較的フリーな状況だった。
そして、パスを出す能力があった。
サイドバックとしての上下動も魅力だが、フリーなときに前線を見て動き出しに合わせるパスを出せる能力は非常に強力だ。即、得点に結びつく。この能力は元鹿島の内田も高い。逆に長友はやや苦手としている。
西は得点シーンの前にも土居の裏への動き出しに正確なパスを通している。

土居聖真のオフザボール

土居はトップ下の選手だ。
トップ下は攻撃能力の高い選手が務めることがほとんどだ。
そして様々な役割が求められるが、土居はよりストライカーに近いタイプだ。
足元の技術がしっかりしていて囲まれても冷静にコントロールでき、逆に密集地からスペースにボールを逃がす能力に長けている。
さらに、二列目から裏に飛び出す動きも多いのが特徴だ。
引いてボールを引き出してパスを配給するよりは、スペースに走ってボールを引き出すほうが得意といえる。

フィッカデンティ監督の迅速な修正

これらの要因が重なって先制点が生まれた。
西がフリーになりやすく、フリーになった西はルックアップし、パスの出しどころを探す。土居は西とアイコンタクトを取りスペースに走る。西は正確にパスを出す。土居の正確なトラップ。ゴール。
ある意味必然のゴールと言える。
この失点は選手ではなく監督の責任だ。
西のパス能力を把握していればフリーにさせないようなシステムを使うか、対応する選手を明確にするべきだった(インサイドハーフが早めにチェックし、それに応じてポジションを早めにスライドさせるなど)。
しかしフィッカデンティ監督も失点後はすぐに修正し、守備時には武藤嘉紀を左に持ってきた。
先制点の前に一度西にいいパスを出された時から気になっていたのかもしれないが、時間帯的にもさすがに変えにくかったが、失点をきっかけに対応したという感じだろうか。 


フリーになったらパスを出せる選手の重要さ

裏へのパスは得点につながる。それは低い位置からでも当然そうだ。
よってバックラインの選手でもフリーで、裏にスペースが有り、味方が走りこんでいたらパスを出せなきゃダメだ。失敗してもよい。確率が低くてもそれだけの価値があるプレーだ。条件が整っているのにパスを出さないようなことが続くと、前線の選手は動かなくなる。
逆に言うと、パスを出せない選手にはプレッシャーに行く必要がない。周りの選手へのパスを狙えば良い。


山村に期待しているが、代表を目指すなら鹿島を出るべきかもしれない

今シーズンはスタメンの座を譲っている山村は私は日本代表を狙ってほしいと思っている。それはパスを出せる選手だからだ。フィジカル能力も高い。
ただ、試合に出なければ話にならない。坂井のような例もあるが、特殊なケースと考えるべきだ。
山村ももはや若いとはいえない。
ライバルは非常に若く、スタメンを争うなら他チームにいったほうが良いかもしれない。
とにかく試合に出れないのはもったいない。
この試合でも武藤に振り切られそうになって危険な位置でファールをしていたが、試合感が鈍っているのか、コンディションが悪いのか。前は左のCBをやっていたがこの試合では右だったのが影響したのか、そのあたりはよくわからない。
だが欲しがるチームは多数あるはずだ。ロンドン五輪経験者は伊達じゃない。
移籍するなら来シーズンということになるだろうが、それまでに鹿島でスタメンをとれないようなら、移籍も視野にいれてほしいものだ。
代表では練習の時間が限られているためCBは固定されがちだ。アギーレ監督はそこまで固定するかはわからないが、早めに呼ばれないと厳しいポジションだ。
能力は十分あると思うので、今後に期待だ。
まあ、この試合の出来はかなりひどかったと言わざるをえない。武藤にボコボコにされていた。試合勘を取り戻すところからはじめなければならないだろう。

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